投稿者: 事務局

  • 第2回研究会 レポート(2026/04/17開催)

    第2回研究会 レポート(2026/04/17開催)

     自動運転社会を見越したサステナブルな公共交通の実現を目指す「公共交通事業のDX推進コンソーシアム」は、2026年4月17日に第2回のコンソーシアム研究会を開催いたしました。 本会合では、第一回研究会の振り返りと最新の政策動向の共有を行ったうえで、事前アンケートに基づくバス事業者のDX・自動運転に関する課題の深掘り、各社の体験談・困りごとの共有、ならびに今後コンソーシアムとして取り組むべきテーマについて議論が行われました。

     1.最新ニュースの紹介・国関連の動向に関する意見交換

     バス事業者主体の課題解決: ベンダー主導や技術先行の導入ではなく、バス事業者自身が主体となり、現場の経営や運用の課題を出発点として技術や制度を再構成していくことを基本方針としています。

    • 国の補助金が技術開発・検証型から、継続的な運行・サービス導入を支援する方向へ
    • 現状はいまだ「人が座った状態でレベル4と称している」段階にとどまるケースも多い
    • 省庁横断の連携における横串機能について
    • レベル4の許認可要件が厳格化している中で提出資料が複雑化し、補助金の中身(車両購入限定、補助金返還条件等)が毎年変わることで社内説明や将来を見据えた取組が困難になっていることが報告された。

     2.アンケート結果に基づく課題の共有

    • バス事業者・自治体の双方で、専門的な知見を踏まえて評価・判断できる人材が不足
    • 特に自治体では、担当者の頻繁な交代により知見が蓄積されにくく、また道路系部署が公共交通を所管する場合には基本的な理解から共有が必要となるケースがある。
    • こうした状況を踏まえ、自動運転に関する資格制度の創設や、本コンソーシアムのような勉強会を通じた事業者間の知見共有が必要との認識が示された。

     3.困りごとに関する各社事例の共有

     各社から自動運転の実証・導入の具体的な課題が報告された。主な論点は以下の通り。

     1)投資判断・将来見通し
     2)調律作業と責任分界
     3)ベンダーとの関係・システムの使いにくさ
     4)補助金制度の課題
     5)運転以外の業務・サービス設計
     6)車両・インフラの技術的課題
     7)公共交通の将来像

     4.今後特に取り組みたい事項について

     各社の意見を踏まえ、今後コンソーシアムとして取り組むべきテーマとして、
     以下の3つの柱が整理された。
     ①ビジネスモデル・サービスデザイン
     ②政策・制度提言
     ③遠隔監視・運行管理と車両

     次回の予定
     次回の研究会では、今回洗い出された課題をさらに整理し、その解決に向けた具体的な活動について議論を深めていく予定です。

     ●出席者(敬称略)
    東急バス株式会社、京浜急行バス株式会社、パシフィックコンサルタンツ株式会社、株式会社エヌケービー、東京都市大学、宮城交通株式会社、しずてつジャストライン株式会社、静岡鉄道株式会社、神姫バス株式会社、大阪市高速電気軌道株式会社、大阪シティバス株式会社、その他バス会社

  • 第1回研究会 レポート(2026/02/25開催)

    第1回研究会 レポート(2026/02/25開催)

     自動運転社会を見越したサステナブルな公共交通の実現を目指す「公共交通事業のDX推進コンソーシアム」は、2026年2月25日に第1回のコンソーシアム会議および研究会を開催いたしました。 本会議では、バス事業者が主体となるDX・自動運転推進の活動方針を共有し、あわせて、バス業界が直面している構造的な課題や、自動運転・DXを取り巻く制度・技術環境、そして現場の事業者が日々実感している課題について、幅広く活発な意見交換が行われました。

     1.コンソーシアムの活動概要と方向性

     バス事業者主体の課題解決: ベンダー主導や技術先行の導入ではなく、バス事業者自身が主体となり、現場の経営や運用の課題を出発点として技術や制度を再構成していくことを基本方針としています。

     段階的なアプローチ: 自動運転の導入そのものを直接の目的とするのではありません。まずは運行管理や車両整備、周辺業務のデジタル化を先行させ、公共交通の運営全体を段階的に最適化していくことを目指します。

     2.公共交通を取り巻く環境への共通認識

     地域交通の深刻な危機: 単に赤字路線が増えるだけでなく、事業主体そのものが地域から消滅しつつある深刻な状況にあります。モータリゼーションやテレワークの定着による定期収入の減少、「2024年問題」による拘束時間の制約、さらに低賃金や将来像の不足に伴う人材流出が重なり、持続可能性が大きく揺らいでいます。

     自動運転の「実証」と「社会実装」のギャップ: 自動運転は単純な人員削減の解決策ではありません。実際には、整備・通信・法務・セキュリティといった新しい業務や、それに伴う人材・制度の整備が必要となります。政府目標やレベル4の解禁が注目される一方で、現在の許認可は限定的な条件下にとどまっており、広範な社会実装にはまだ多くの課題が残されています。

     本質的な課題: 技術の進化だけでなく、制度・人材・インフラ・地域社会への受容性を一体として捉える総合的なアプローチが必要です。ただ「走れること」と、実際に地域で「使われること」の間にあるギャップを埋めることこそが本質的な課題です。

     3.自動運転・DXにおけるバス会社の課題と意見交換

     現場のバス会社からは、実務に基づいたリアルな意見や懸念が数多く寄せられました。

     安全への責任と現実的な進め方: 万が一の事故が経営や社会的信用に与える影響は計り知れません。そのため、段階的に実証を進める現実的なアプローチが不可欠です。また、急ブレーキなどの安全上の懸念が払拭されない限り、乗客の命を預かる事業者として導入の判断は下せません。

     経営改善への寄与とコストの壁: 自動運転がどのように経営改善に結びつくのか、現状ではまだ見えにくいという懸念があります。特に都市部では、交通の混雑や歩行者の多さから技術的なハードルが高い一方で、導入が直接の収益増にはつながりません。高額な車両やシステム費用も大きな障壁となっており、最終的には人件費削減などのコスト体系と見合うかどうかが普及の分水嶺となります。

     標準化と独自性のバランス: システムの共通仕様化や共同化を進める必要性がある一方で、一画一的な標準化によってシステム全体の脆弱性が高まるのではないかという懸念も挙げられました。

     一過性のイベントで終わらせないために: 過去の実証実験が「実施すること」自体で完結してしまった反省を踏まえ、単発のイベントに終わらせないための主体的な取り組みが求められます。自動運転をゴールとせず、あくまで地域交通の将来像を議論の主軸に据えなければ、技術の導入が目的化してしまい、地域交通の本質を見失う恐れがあります。

     「手段」としての再定義と利用者の協力: 自動運転を交通政策の「手段」として再定義し、どの領域で協調し、どの領域で競争するのかを整理することが重要です。また、地道な技術の積み重ねを社会へ説明し続ける必要があります。さらに、サービスを成り立たせる条件として、お店の「セルフレジ」のように、利用者側にもキャッシュレス化などの一定の手間や変化を受け入れてもらう視点も必要ではないか、という意見もありました。

     次回の予定
     次回の研究会では、今回洗い出された課題をさらに整理し、その解決に向けた具体的な活動について議論を深めていく予定です。

     ●出席者(敬称略)
    東急バス株式会社、京浜急行バス株式会社、パシフィックコンサルタンツ株式会社、株式会社エヌケービー、東京都市大学の5者が事務局となって、宮城交通株式会社、しずてつジャストライン株式会社、静岡鉄道株式会社、神姫バス株式会社、大阪市高速電気軌道株式会社、大阪シティバス株式会社、東急株式会社、その他見学のバス会社複数

  • キックオフ開催(2026/02/25リリース)

    キックオフ開催(2026/02/25リリース)

    バス事業者等が主体となり、自動運転技術等を活用したサステナブルな公共交通の実現をめざす

    「公共交通事業の DX 推進コンソーシアム」キックオフ開催

     東急バス株式会社(本社:東京都目黒区、取締役社長:古川 卓)、京浜急行バス株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、取締役社長 森 明裕)、パシフィックコンサルタンツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員:大本 修)、株式会社エヌケービー(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:外谷 敬之)、東京都市大学(法人本部:東京都世田谷区、学長:野城智也)の 5 者は、「公共交通事業の DX 推進コンソーシアム(以下、本コンソーシアム)」を共同発起し、2026 年 2 月 25 日(水)にキックオフ開催に至りました。

     本コンソーシアムは、公共交通業界が抱える多岐に渡る課題に対し、公共交通の主要な担い手であるバス事業者を中心に企業・研究者と協働で、DX(デジタルトランスフォーメーション)等による課題解決、持続可能かつ導入しやすいソリューションや普及モデルの開発、それらが業界全体へ普及することをめざします。今後は定期的な研究会開催を主軸に、啓発活動や自動運転の社会実装推進など、サステナブルな公共交通実現のために活動してまいります。なお、本コンソーシアムは共同発起する 5 者を共同代表とし、メンバーおよびサポーター参加者を広く募集し活動を拡充していきます。

    1.開催の背景と趣旨

     近年、全国各地でバス・タクシーなどの公共交通の縮小が深刻な社会課題となっており、喫緊の対応が求められています。その解決策の一つとして自動運転技術の開発・導入が注目されていますが、これまでの取り組みは車両技術開発に偏重し、公共交通の視点、持続可能な事業としての課題解決が十分に反映されていないのが現状です。

     そこで、公共交通の主要な担い手であるバス事業者が中心となり、自動運転社会を見越したサステナブルな公共交通の新たなかたちを創出することを目的に、本コンソーシアムの開催に至りました。本コンソーシアムは、公共交通事業者が長年にわたり培ってきた安全・安心で便利な運行・運営の見と、先進的なバス運行に関するさまざまな DX に向けたシステムや自動運転技術との融合をめざします。

     現在、公共交通事業者が直面している課題は、DX の推進・自動運転技術の実装、運行管理の効率化・高度化、それらに取り組む人材育成の強化、サステナブルな事業モデルの構築などさまざまです。これらを本コンソーシアムで共有し、公共交通事業者自らが主体的に取り組めるオープンで実用的なソリューション提案や支援を行ってまいります。

     今後は、全国の公共交通事業者をはじめ、公共交通の課題を解決できる知見やソリューションを有する研究者・研究機関、企業、地域公共交通に取り組む行政など、幅広い関係者に本コンソーシアムへの参加を呼びかけ、各者との連携のもと、自動運転技術を活用したサービスが普及した社会を見越したサステナブルな公共交通の実現をめざしてまいります。

    2.概要

     1)目的:

     公共交通事業者が主体となり、自動運転社会を見据えた、安全・安心で便利で楽しい、サステナブルな公共交通の新しいかたちを創造、実現することをめざします。

     2)提供価値:

     ・公共交通利用者(乗客)への価値
     お客様(乗客)に、適切な移動手段を提供し続け、これまで以上にサービスの高度化・効率化を図ります。
     ・公共交通事業者への価値
     事業者自らが主体的に取り組めるオープンで実用的なソリューション(デジタル化による効率的な運行管理システム、自動運転に必要なシステム等)による DX の推進を提案し、サステナブルな事業モデルの構築を支援します。

     3)活動内容:

     ①研究会: 公共交通事業者が抱える課題を、研究者・研究機関、企業、行政と協議し、解決に向けたソリューション開発や DX、自動運転化を推進する活動
    《研究会詳細》
     ・開催:2026 年 2 月~2027 年 3 月まで、毎月 1 回の開催を予定
     ・参加方法:会場・オンライン併用
     ・テーマ:運営や運行管理の課題、DX 推進・自動運転実装に向けた課題、事業モデル構築に向けた課題 など
     ・参加費:無料
     (内容詳細は後日、コンソーシアム参加者へ共有されます)
     ②啓発活動: 社会全般、関係各所への情報発信、提言活動
     ③社会実装推進: 自動運転化実証実験・社会実装活動の支援

     4)コンソーシアムの参加方法

     ①メンバー参加: 公共交通事業者(バス事業者を想定)
     ・ 研究会、啓発活動、社会実装推進の全ての活動に参加、協働することができます。
     ②サポーター参加: 研究者・研究機関、企業、自治体、関係省庁等
     ・ 啓発活動、社会実装推進の活動に参加、協働することができます。
     ・ 研究会への参加は、事務局に認められた場合にのみ参加できます。

     5)コンソーシアム公式サイト

     https://transport-dx.jp/

     6)参加申し込み方法

     参加希望の方は、下記 URLよりお申し込みください。
     https://forms.gle/soDFPv1zMhq2AJ1j7

     7)共同発起・共同代表各者の紹介

     【東急バス株式会社】
    取締役社長:古川 卓、本社:東京都目黒区
    東京都城南地区、川崎市、横浜市に運行系統を広げる都市型バス事業者です。東急の一大ターミナルである渋谷周辺を拠点に、多摩田園都市など東急グループの都市開発に合わせた路線を展開しています。これまでも自動運転技術を活用した移動サービスの開発やソリューションの開発に取り組んでおり、本コンソーシアムを通じて、広く公共交通サービスの高度化を図ってまいります。

    【京浜急行バス株式会社】
    取締役社長 森 明裕、本社:神奈川県横浜市西区
    東京都南東部から神奈川県の三浦半島までの湾岸一帯を中心に運行する路線バスと羽田空港を起点に首都圏各地への空港アクセスバスなど広域交通サービスを展開するバス事業者です。これまでも東急バスと自動運転の共同実証実験を行うなど、事業者間の連携に取り組んでおり、本コンソーシアムを通じて、知見を共有し持続可能な公共交通サービスの実現に貢献してまいります。

     【パシフィックコンサルタンツ株式会社】
    代表取締役社長執行役員:大本 修、本社:東京都千代田区
    パシフィックコンサルタンツ株式会社は、70 年以上にわたり建設コンサルタントのリーディングカンパニーとして、国内外の都市・建築・鉄道・道路・空港・港湾・河川・上下水等の社会インフラ整備やまちづくりの計画・設計・運用等に深く関わってきた社会インフラサービス企業です。本コンソーシアムを通じて、地域に根ざした公共交通の未来像を描き、自動運転技術を活用した「誰もが安心して暮らせる持続可能な社会」の実現をめざします。

    【株式会社エヌケービー】
    代表取締役社長:外谷 敬之、本社:東京都千代田区
    株式会社エヌケービーは、交通広告をはじめとする新媒体の開発、デジタルサイネージの設置・配信・管理、マルシェや観光列車運営、地域活性化や地方創生事業を企画実施する広告会社です。 本コンソーシアムを通じて、地域の移動課題の解決と、次世代型公共交通に於ける情報サービスの開発を推進してまいります。

    【東京都市大学】
    学長:野城 智也、 法人本部:東京都世田谷区
    東京都世田谷区に本部を置く私立大学です。東急グループに属する学校法人五島育英会が運営しており、理工系を中心としながら、都市生活を支援する公共交通に関する研究も盛んに行われています。その知見を生かしながら自動運転時代のバス事業のあり方、経営戦略などについて学術的な立場から参画し、貢献いたします。